いつも、散策する里山の「小さな八幡様」がその舞台です。

この八幡神社の氏子13軒。其々の家から家長(男性)が、朝9時に集まり、持ち寄った「ガマズミ」の木を削って弓を・・・ガマズミの木はこの日のために、其々の屋敷内や畑で何本も育てています。

篠竹で矢を・・・

細竹と半紙で的を・・・神事が始まるのは11時頃とか、10時半頃訪れると、神事用の材は全て出来上がっていました。

普段は無人の八幡様、今日は近隣の大きな神社の神主さんがいらっしゃいます。
その間に、一年間其々の家に祀っていた去年の弓矢を、とんどで焼いて、天に返します。

神主さんはなかなかお見えになりません・・・皆さん、焚き火にあたりながら待っています。ゆっくり、のんびりした時間が過ぎてゆきます・・・このおおらかさも、300年続いてきた所以でしょうか。
神主さんが到着されたのは、12時もとっくに回った頃・・・

まず、神主さんは、境内の神々に幣束を捧げて回ります。
その後、階段の上にある「本殿」で、弓・矢・的 のお祓い・・・

そして、氏子さん達のお参りが終わった後・・・オビシャが始まります。
まずは、お祓いの済んだ「的」を取り付け・・・

お祓いの済んだ「弓・矢」も並べて用意ができました。

最初に、神主さんが、3本の矢を射ます。
1本目が当たれば、稲作の「早稲」2本目は「中間の中生」3本目は「晩生」が豊作と言われています。

続いて、参加した氏子全員が順不同で、弓を引き命中するまで矢を射ます。

氏子が射終えると、私達も参加させてもらえました。自然木で作った弓なので、真っ直ぐに飛んでくれなくて難しかったですが、教えてもらいながら的に当てることができました!
嬉しいことに、この「弓・矢」を記念にと頂くことが出来ました!「来年、どんどに焼きにおいで」との言葉も・・・

今年、1年間、家に奉っておきます! 石川啄木が詠ったように「何となく、今年はよい事あるごとし」の気分です!
この記事へのコメント
タンジュンコ
私の地域にも御舞社(オビシャ)がありますが、地区の人達だけで行います、内容もそれぞれに違いますね、
Mugenさん 来年もお誘い頂いたので、きっといい事ありますよ。
さかなchan
大学共通試験も一次が過ぎドンドン時間ばかり過ぎて行く
今日この頃・・・・
ナカナカ珍しい体験をされたんですね~!
キット今年は良い事が有りそうな予感がします。
茜雲
丹念にレポートしてありますので、この神事の全体像がよくわかりました。
こちらの神社では、14日かにどんど焼きが行われ、熊手等を焼いてきました。
mugen
タンジュンコさんの地区でも、やはり、氏子の男性だけの参加でしょうか? 各地で引き継がれている由緒ある祭事は、男性だけの参加というのが多いですね。
「今年は良いことある如し」になることを願っています!
まずは、コロナ収束を・・・!
mugen
1月行く、2月逃げる、3月去る・・・駆け足で日々は過ぎていきますが、コロナはますます猛威を奮っています!かってのように平穏に暮らせる日はいつになるのでしょうね。
今年は良い事があることを信じて・・・オビシャの弓と矢を奉っています!
mugen
氏子が13軒だけの小さな神社のこの祭事が、300年続いているのは驚きです。弓を作る「ガマズミの木」を300年間屋敷内や畑に植え、親から子、子から孫へ延々と引き継がれてきたのです。
氏子の人々が、みんな、普段着で参加する素朴な祭事、とても、暖かく優しいお祝い事でした。
ムクママ in Inzai
おめでたい神事を紹介して下さってありがとうございます。
1日のうちに弓矢と的が手で作られて、オビシャが行われる事が、よくわかりました。
的のデザインが可愛くてユーモラスですね。
見学の方々にも、オープンな所が又素敵です。
mugenさんの今年の福が楽しみですね。
私の方もこのページの写真と美しい文章を楽しみにさせていただきます。
mugen
コメントありがとうございます。
里山に残る素朴で温かい神事のオビシャ。心癒されるひとときでした。
300年間守り続けて来られたのは凄いことだと私達には思えますが、氏子の方々は、力まず飄々と祖先から引き継いでこられたのです。
ともすれば、報道されるような華々しい神事に目が行きがちですが、山里や、小さな海辺などに、延々と引き継がれてきた魂を守る神事などがまだまだ多くあるように思えます。
そんなことを感じさせてくれる「オビシャ」とそれを守る人々を知ることが出来て嬉しかったです。